Blue Bird Baby


 

Story

チルチルミチル不在の「青い鳥」の物語

空が色を失ってから久しい世界。
そこでまことしやかに囁かれる伝説。

「ブルーバードを手に入れるとシアワセになれる」

鳥を手に入れるために戦争を仕掛ける者。
戦争に勝つために鳥を求める者。
ただただ人々は争っていた。

かつての空の色―――青。
ブルーバードの、その色さえも知らないで。



一方、肝心のブルーバード自身は、
まるごと記憶を失っていた。

ただひとつ覚えていた幼い兄妹の名前。
ブルーバードは自身の記憶を求め、彼らを探す。

どこかの物語で、彼らが青い鳥を求めたように。

Introduction

『Blue Bird Baby』Bが三つ並んでなんだかゴロがいいね!
そんな感じで、タイトル先行でこの脚本を書きはじめました。

まずはメーテルリンクの『青い鳥』を読んでみました。
有名な青い鳥の童話がもともと戯曲であったことを知ったのは、
恥ずかしながらつい最近です。

『青い鳥』は(ネタばれになりますがこのオチを知らない人はいないと仮定して)
探していた青い鳥は自分の鳥籠に居たハトだったというオチがつきます。
「探し求めなくても幸せは最初から傍にあったんだ」というテーマだと思うのですが、
そもそもあの兄妹は自分たちの幸せの為に旅に出るわけじゃないんですよね。
魔女に依頼されたから青い鳥を探しに行くのです。
他人のために命がけの冒険をするんです。
そこがよくわからないのです。

そこは私利私欲のために青い鳥を求めた兄妹であるべきじゃないのか。
もうちょっとすっきりさせたいと思ったんです。
少し捻って青い鳥視点で。
私利私欲のために青い鳥を求める人をいっぱい出して。
巨匠メーテルリンクに挑むとは随分調子こいてますね。

そしたらこういう話になりました。
誰が主人公かわかりません。
たぶん幸せを求める皆です。
今ここをご覧になっている貴方も含め。

青い鳥の幸せ探しの旅にお付き合いいただけると嬉しいです。
劇場でお待ちしております。


永村 閏

 

 

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